「お米は水と光が作るもの」とは赤峰さんの言葉です。
稲たちが光と水をたっぷり浴びてすくすく育つよう、お手伝いをするのが私たちの仕事です。
ポイントは、以下 点
- 水苗代で大きく太い苗を育てる
- 田植え直後から深水にし、稲刈りまでたっぷりと水を回す(畔をしっかり高く作る)
以下、稲作の流れです。
苗代 | 本田 | |
3月中旬 | 荒おこし | |
4月上旬 | 畔塗り、種もみ準備 | 荒おこし |
4月27日ごろ(つきあかり) | 種まき | 荒シロカキ、畔塗り |
5月初旬 | 水管理(温めてたっぷりまわす、苗の生育とともに深くする) | 中シロカキ |
5月下旬 | トンネルを取る、草取り | 本シロカキ(荒シロカキから1月あける) |
6月上、中旬 | 苗取り | 田植え |
6月下旬 | 苗取り、田植え | 草取り |
7月上旬 | 草取り | 草取りは田植え後1月まで |
7月から9月 | 水管理(中干しはせず、たっぷりと) | 水管理(中干しはせず、たっぷりと) |
8月上旬 | 出穂 | 出穂 |
9月下旬~10月上旬 | 稲刈りはぜかけ2週間) | |
10月下旬 | 稲刈り(はぜかけ2週間) | 脱穀 |
11月上旬 | 脱穀 | |
稲わらを切り、たい肥を入れて耕す |
種もみ準備
種まきから1 週間前に種もみを塩水選し、玉ねぎネットなどに入れて水に浸します。
流水がベターですが、バケツでもできます(積算で100度)。バケツに汲んだ水につける場合は、毎日水を変えます。
種もみが水を吸ってぷっくり膨らんで、芽が少し顔を出したところが薪きどきです。
種まき前日、お風呂の残り湯に入れると芽が出そろいます。

理想の苗
太くしっかりした苗を作ることが重要です。
種まきから40日で5.5葉、20~30㎝の苗が理想です。
田植え直後から深水にし、初期の草を抑えて稲を育てるため、深水にしても折れない苗が必要なのです。
低温などで生育が遅い場合は、田植えを遅らせ、苗が育ってからにします。
水苗代で仕立てた苗の茎は扁平型で固く、深水にも耐えられます。(箱苗はストローのように丸い茎にしかならない)

水苗代作り
荒シロカキから泥が落ち着くのを待って、ベッド(種まき用の土台)を整形します。
ベッドは水面から盛り上げず、脇の水路を掘ります。
ベッドの幅90センチ、水路&泥の山が90センチの間隔で作ります。
堀った泥は、ベッドの間に盛り上げます。
この盛り土が、トンネルマルチの土台になります。
ここで肝心なことは、ベッドを平らにすること(すべてのベッドの高さをなるべくそろえる)です。
この状態で、1日乾かします。

種まき
種まきは風のない早朝に行います。
水を入れた状態でまくので、水取り口の反対側からまいていきます(赤い矢印)。
水取り口からまくと、水が濁ってベッドが見えなくなるからです。
パラパラと薄め(1㎠に1粒のイメージ)にまきます。
種をまくときは嬉嬉と、るんるん気分で。
怒ってまくと指先から出る殺気でタネが死んでしまいます。
落ち込んだ気分でまくと、種の元気がなくなります。

トンネル整形
寒冷地では、ベッドの上にトンネルマルチをはります。
水をたっぷり回すため、ベッドの両脇の水路ごとすっぽりと覆います。
使用する資材
- 210㎝の支柱(5㎜)
- 180㎝幅の有孔マルチ
- トンネルパッカー(5.5㎜)
- 杭(四隅を留めるため)

水苗代の管理
発芽までは水をかぶせておきます。
発芽したら水をいったん落とし、燻炭をまいて1日干します。
根が土に入ったことを確認し、再び水を入れます。それからは、苗の生育に合わせて水の管理をします。
5月下旬、霜が降りなくなったらトンネルを外します。
急に取ると風やけするので、入り口を開けて風通し、数日経ってから外します。